現在、これまでとは異なった新しい方法での治療が求められています。多くの鍼灸師は全国的に求められているソーシャルディスタンス法に基づいた中で、引き続き患者を治療できるよう対策を模索しています。そんな中で、伝統的な中医漢方(TCM/東アジア医学)に注目が集められています。まず重要で心に留めておくべきことは、一般的に中医漢方は病気の過程の中で変化する複合的な症状や兆候を一連の診断に基づいて適応されます。これがパターンに基づいたケアの原理です。注意すべきこと(してはならないこと)は、唯一の調合薬を「特効薬」とし、治癒を約束する手法です。
私たちはCOVID-19を治療すると謳ってはいけません。さもなければ、それは逸話的で科学に基づいていないとして法的に中止させられざるを得なくなります。
ASAは全ての鍼灸師や中医漢方薬剤師に全国的、州、そして地域の法に従わなければならないと注意勧告します。
他の国々で、中医漢方薬がCOVID-19の症状を持つ患者の治療に使われていることに対して知識があるのは素晴らしい利益です。私たちは皆、TCMにCOVID-19感染症の診断は存在しないということを忘れてはいけません。TCMの原理として、適切で安全かつ効果的な中医漢方薬の調薬をするために、患者個人の現状の体質に基づき、パターンを区別し、診断することが求められます。私たちは皆さんに、患者にとって最も安全で効果的な方法で治療を続け、患者に処方する際にはこの形式に反しないことを督励します。そうすることによって、私たちの職業を格段に有効的で唯一無二であり、安全で伝統的なアプローチであるということを証明するだけではなく、私たちは常に個人のニーズを第一に考えているということを保証することになります。
適切なTCMのパターンを区別せずに中医漢方薬を販売、供給することは適切ではなく、鍼灸師、中医漢方薬剤師を法律の規制基準に反するものとして罰せられる可能性が有ります。
中医漢方薬を処方、調合する際に補足として忘れてはならないのは、
記録をしておくこと:
「もし記録をしていなければ、それは起こったことにはならない。」
患者の氏名、日付、誕生日、併存症、そしてTCMパターン
診断についての情報:舌診断、脈診断(もし可能であれば)、肝要な兆候(もし可能であれば)、体温
症状:息切れ、温または寒、咳、尿と便の状態、等
現在の処方薬:医師から処方されたもの、薬局で購入したもの、中医漢方薬、そしてサプリメントも含む
アレルギー
中医漢方薬の記録に必ず含まれる事項:原料、投与量、整理番号(ロットナンバー)、処方した日付
治療方針(例:解熱、肺の湿痰を解く、気の経路、等)
中医漢方薬のラベル付:
あなた、もしくは調合者(パテントを得ていない調合薬)が処方する場合:
患者の氏名
中医漢方薬名
投与量と強度
調合した日付と処方した日付(もし異なる場合)
管理番号(コントロールナンバー)と整理番号(ロットナンバー)
割り当てられた使用を超えてはいけない日付、または消費期限日
調合した中医漢方薬剤師の氏名、住所
どんな症状に使われるのか− 私たちは病気を治療するのではありません。ここには症状を記すべきです。(例:解熱、肺の湿痰を解く、気の経路、等)
*これらは手引書:Best TCHM Compounding and Dispensing Practices prepared by AHPA 2017 より引用されています。
慎重かつ楽観的であってください。
これは正に、中医学が今回の危機においてどのように手助けできるかということを学ぶ機会であり、しかしまた、証拠(エビデンスベース)を誇張しすぎないように充分注意してください。中国の医師たちは今もまだ最適なアプローチを研究し続けているので、効果を強く断言するには早すぎます。
また、以下の事項にも気をつけてください:
私たちが所持する中医漢方薬の効果についてのデータは予備的であり、証拠(エビデンスベース)の医療を標準としていません。中医漢方薬はもちろん頼りになりますが、どの漢方薬なのか、処方量なのか、そしてどのような症状やパターンの順列なのかということは明らかになっていません。上記に示したように、今現在手に入るデータによって中医漢方薬による治療を主張することは、FDAの条例に反することであり、保健当局によって否定的に捉えられます。